子どもを連れ出したい・連れ出されたときどうすればよいですか? | 離婚問題に精通した弁護士による離婚相談

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子どもを連れ出したい・連れ出されたときどうすればよいですか?

離婚と子ども

妻が夫である私に無断で子ども連れて家を出て行きました。私も親であることは妻と同じです。このような妻による「無断の子の連れだし行為」は、私の親権を侵害する違法な行為になるのではないですか。

ある日、仕事から帰宅したら、朝まで居たはずの我が子がいない。今、どこにいるかもわからず、連絡も取れない状態になります。子どもが生きているのか、元気なのかもわからない。妻の両親や友人に聞いても(妻が手を回していて)答えてもらえない。警察に捜索願いを出そうとしてもまともに相手にされずに素気なく追い返されてしまう。心配と混乱でパニックとなる場合もあります。子どもが誘拐されたのと同じように感じる方もおられるかもしれません。このような妻を許せないとお考えになることも無理はないかもしれません。

しかし、一般的に裁判例では、妻が夫に無断で子を連れ去る行為は違法ではないとされてきた例が多いように思われます。逆に、父親による子連れ離婚についても違法性が認められなかった裁判例もあります。重視されるポイントは、従前、主として問題なく子どもを監護してきたのはいずれかという点だと思われます。一般的には、妻が主として監護を行っている場合が多いので、その子連れ離婚は違法とは評価されない場合が多くなりますが、例外的に、主として夫が子どもの監護を担っていたような場合(夫が監護者指定されるのが相当であると評価されるような事案)では、別の判断もあり得るかもしれません。

妻が夫である私に無断で子どもを連れ出してもよいのであれば、妻が連れ出した子どもを、父親である私が実力で連れ戻しても良いことになるのでしょうか。

確かに、そのようにお考えになる気持ちも理解できない訳ではありません。しかし、刑事裁判で、離婚係争中の夫が、妻が監護している2歳の子を有形力を用いて連れ去った事案について、未成年者略取罪が成立するとした判断した最高裁判所の判例があります。したがって、実力行使は差し控えた方がよいと思われます。

別居時、私は子どもを連れて家を出て実家に戻りました。その後、夫が子どもを保育園から連れ去ってしまいました。子どもを取り戻したいのですが、どうすればよいですか。

家庭裁判所に対して、子の監護に関する処分として、監護権者の指定・子の引き渡しを求める審判を申し立てるとともに、審判前の保全処分の申し立てを行います。

家庭裁判所の審判で、子の引き渡しを命じる審判を得ましたが、相手は子どもを返してくれません。子どもを取り返すにはどうすればよいでしょうか。

  • ・方法としては、履行勧告・間接強制の申立て・直接強制の申立てが考えられます(例外的に人身保護請求の申立ても問題になりますが、ここでは割愛します。)。
  • ・履行勧告は、裁判所が義務を履行しない者に対し、義務の履行の勧告を行う手続きです。履行勧告は、法律上の効果を伴わず強制力がないとされています。その為、実効力には限界があります。
  • ・間接強制とは、例えば「債務者は債権者に対し、履行期日の翌日から履行済みまで1日当たり金○万円の割合による金員を支払え」という方法で、一定の金員の支払いを命じることによって債務者に心理的強制を加えて、債務の履行を促す強制執行の方法です。
  • ・直接強制とは、執行官が子どもの自宅や保育所、通学路などに臨場して、債務名義を有している親の側に子どもを引き渡す方法です。しかし、相手側が物理的に阻止してきたような場合には、執行不能となる場合もあるようです。

離婚した妻と交際中の男が、子どもを虐待しています。今すぐにでも元妻の家に乗り込んで、子どもを救出したいと思っています。

離婚した母親は、再婚相手の男性や、交際している男性への迎合や遠慮のため、男性による子どもへの虐待を見て見ぬふりをしたり、男性と一緒になって子どもを虐待してしまうことがあります。ひどい場合には、自分が養ってもらうために、子どもを男性に対して、人身御供のように差し出してしまう母親も存在しているようです。父親にとっては我が身を切り刻まれるよりもつらい事かも知れません。

面会交流が実現できていれば、一定程度、このような虐待を防止する役割も果たすこともできるかもしれませんが、面会交流の実現そのものが、なかなか難しい面もあるかもしれません(中部地方のある家庭裁判所の女性の年配の調停委員は、「男性はどうせ小さい子どものことはわからないでしょうから面会交流なんて必要ないでしょ」と調停の場で堂々と言い放っていました。)このような場合には、児童相談所に対する通告、親権変更、親権喪失、親権停止等の申し立てを検討することになります。

元妻が父親である私に子どもに会わせてくれません。それでも養育費を支払わなければならないのでしょうか。

子どもの成長を実感できなかったり、ひどい場合には子どもが生きているのかさえ分からないのに、養育費だけ支払い続けることには相当の心理的な抵抗があるかもしれません。しかし、一般的には、養育費の支払いと面会交流は性質が違うので連動しないと考えられているようです。なお、面会交流ができなかった月は、養育費の支払いを免除する旨の調停条項を定めた例も報告されていますが、現時点では、例外的な事例として位置づけられているようです。

また、面会交流が実現しない場合の多くは、元夫と元妻との葛藤が高い場合ですが、養育費の不払いにより、その葛藤が更に高まり、元妻が意固地になって面会交流を拒否し続けるといった事態も起こりえます。このようなリスクも視野に入れておく必要があります。なお、面会交流については、別途、間接強制等を通じて実現することになります(むしろ、このような事態を想定して、間接強制が可能となるように調停調書の記載内容を詰めておく必要があります)。

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