面会交流権
面会交流
非親権者や非監護権者が、子と「面会及びその他の交流」をすることである(民法766条)。
面会交流を求める方法は、まずは当事者間の協議を行い、協議が調わないときは調停の申立てを行い、それが不成立の場合は、自動的に審判に移行します。
子どもの福祉を害しないことが明らかでない限り、認められるべきとするのが近時の実務の大勢のようです。
面会交流が、調停や審判の内容通りに実施されない場合には、履行勧告・再調停の申立て、間接強制といった手段があります。
中国においても、中国婚姻法38条1項で「離婚後、直接子どもを養育していない父又は母は、面接交渉の権利を有し、他方はそれに協力する義務を有する。面接交渉権の行使方法・期日は当事者の協議による。協議が調わないときは人民法院の判決による。父または母の面接交渉が、子どもの心身の健康にとって不利である場合には、人民法院は法に基づき面接交渉権を中止させる。その中止事由が消滅した後は、面接交渉権を回復させなければならない」と規定されています。
1980年婚姻法の下でも、離婚後子どもと共同生活していない親の子に対する親権・扶養義務は何ら影響を受けないとともに、子に対する面接交渉権を持ち、子と共同生活している親は、それを拒絶できないとされていました。しかし、明白な条文規定がないために関係紛争が発生し、特に一人っ子政策による子の奪い合いや子の匿いが少なくありませんでした。
そこで、面接交渉権を、国家が法に基づき強制力を持って保護し、子女の心身の健全な発育と父母双方の合法的権益を確保するため、面接交渉権を婚姻法上明文化したと指摘されています。中国婚姻法48条では「面接交渉等のついての判決あるいは裁定の執行を拒む者に対して、人民法院は法に基づき執行を強制する。関係する個人と事務所はその執行に協力する責任を負わなければならない」と規定されています[詳解中国婚姻・離婚法・加藤美穂子著・日本加除出版:359~364頁)]。