コラム | 離婚問題に精通した弁護士による離婚相談

06-6926-4526,受付時間 平日10:00-17:00(土日祝休業) 24時間WEB受付中
解決事例画像

コラム

面会交流調停について

  • 面会交流

面会交流調停における従前の実務の運用について

従前の面会交流調停の実務は、「面会交流が争点となる調停事件の実情及び審理の在り方‐民法766条の改正を踏まえて」(家裁月報64巻7号1頁・平成24年)の影響を受けてか、面会交流原則実施論であるとされてきました。

同論文においては「非監護親との交流を継続することは子が精神的な健康を保ち、心理的・社会的な適応を改善するために重要である」ことが強調され「面会交流は子の健全な育成に有益なものである」から「子の福祉の観点から面会交流を禁止・制限すべき事由(面会交流の実施がかえって子の福祉を害するといえる特段の事情)が認められない限り、面会交流の円滑な実施に向けて審理・調整を進めることを基本方針としている」としていました。

そのため、実務においては、

①別居親が面会交流の申立をした場合、子の福祉を害する特段の事情が認められない限り、別居親との面会交流を実施すべきである、

②面会交流は実施されるのが当然であるから、

①の「面会交流を実施することにより子どもの福祉を害する特段の事情」は面会交流を否定する者が主張立証すべきである、というような運営がなされてきたと言われています。

従前の実務の運用に対しては、

面会交流ありきの運用であり監護親への配慮を欠いているとの批判がありました。

最高裁平成12年5月1日決定

(民集54巻51号607頁)は、「家庭裁判所の実務において面会交流権といわれているものは、父又は母が他方に対して、子どもとの面会をさせるように求めることができる権利ではなく、父又は母が他方に対して、子ども監護のために適正な措置を求めることができる権利である」と判断しています。面会交流が親の権利でないとすると、面会交流原則実施という結論は、当然には導けないとすることもあり得ます。

そこで、東京家庭裁判所は、実務の運用の見直しをしました(「東京家庭裁判所における面会交流の調停事件の運営方針の確認及び新たな運営モデルについて」家庭と法と裁判26号129頁:令和2年)。具体的には、①面会交流の調停にあたっては、監護親・非監護親のいずれにも偏らない「ニュートラル・フラットな立場」(先入観を持つことなく、ひたすら子の利益を最優先に考慮する立場)で臨む、②面会交流を実施することにより子の利益に反する事情があるかどうかについて、子の状況、双方の親の状況、子と双方の親との関係、親同士の関係、子と双方の親を取り巻く環境等をめぐる事項を丁寧に聴取する、③聴取した結果を総合的に考慮し検討する、としています。

「子の状況」としての「子の意見(意向)」として

聴取の際に、子どもが、「非監護親に会いたくない」との意見を述べることがあります。同居期間中は、非監護親と仲良く過ごし、親子関係に何らの問題もなかったにもかかわらず、

連れ去り等で会えなくなり、連絡がとれないまま、ある程度の時間が経過した場合に、何故か、子どもが、非監護親に対して敵対的になってしまう場合もあります。面会交流の調停を申立てたことをもって、監護親が、子に対して「非監護親が子に対して裁判してきた」との説明をして、子vs非監護親の対立構造を煽っているのではないかとの疑いを感じることもあります。あるいは、いつの間にか、監護親側によって、非監護親が子どもを虐待していたことにされてしまう場合さえもあります。子どもの心情は如何ばかりかとの思いを抱くこともあります。

監修

河合・藤井法律事務所

代表弁護士河合基裕

法律事務所に相談に来られる方は、思わぬトラブルに巻き込まれ、不安を抱えておられることと思います。当事務所では、ご相談者さまとの信頼関係を大切にし、ともによりよい解決を目指して参ります。 お力となれるよう精一杯、務めて参りますので、よろしくお願い申し上げます。

その他のコラム

親権をとりたい

1 よくある質問 「夫とは離婚することでは合意していますが、私も夫も子供の親権を希望しています。夫は正社員の会社員で、実家も裕福です。私はパートで働いています。夫は、『お前の稼ぎでは子供を育てることなんてできっこないだろうから、自分が子供を引き取る』と言っています。収入の少ない私は、親権をあき...

詳細を見る

台湾の親族法について(その2)

  • 台湾の親族法

はじめに 台湾の親族法につき、自分の備忘録としてまとめてみました。 参照・引用した文献は ①台湾法入門[蔡秀卿・王泰升編著:法律文化社] ②中華民国親族相続法[劉振榮、坂本廣身著:令文社] ③戴炎輝「中華民国婚姻法」宮崎孝治郎編『新比較婚姻法』115頁~(頸草書房) ...

詳細を見る

離婚慰謝料が問題になる場合

  • 慰謝料請求

第1 はじめに 離婚慰謝料といいますと、まず思い浮かべるには不貞行為ですが、不貞行為以外の理由でも離婚慰謝料が問題となる場合があります。   第2 離婚慰謝料が問題となる場合 1 離婚慰謝料が問題となる場合 一般的には、 ①不貞行為、 ②暴力、 ③暴言(...

詳細を見る

妻の不貞行為を原因とする離婚について

  • 離婚全般

1 婚姻費用について (1)有責配偶者である妻からの婚姻費用請求(生活費の請求)については、信義則違反や権利濫用を理由に認められない場合があります。 いくつかの裁判例でも認められています。 もっとも、この場合でも、妻が子を引き取っている場合は、子の生活費相当額(養育費相当額)は支払...

詳細を見る

離婚問題に関するお悩みは、
離婚問題に精通した弁護士お気軽にご相談ください。

大阪西天満の河合・藤井法律事務所

06-6926-4526,受付時間 平日10:00-17:00(土日祝休業) 24時間WEB受付中
06-6926-4526,受付時間 平日10:00-17:00(土日祝休業) お問い合わせ